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森見登美彦/夜行を読んだ感想※一部ネタバレあり

2017/07/23
 





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30代二児のパパです。会社員。趣味はギター、唄、作詞作曲編曲、DTM、読書。YouTube、Sound Cloudで自作曲やカバー曲公開中。 オーディオストックにて、ジングル、BGMを販売しています。

 

 

どうも、デニムです。

 

 

森見登美彦さんの夜行を読みました!

 

 

自分が読んだ森見登美彦作品は、「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「ペンギンハイウェイ」に続いて四作目だったのですが、いやーびっくりしましたね。

 

 

めっちゃホラーでした(´д`|||)

 

 

自分と同じような作品しか読んだことない人はびっくりすると思います。森見さんてこんなのも書くのね。。。。。ぶっちゃけ読み始めた日の夜は怖くて寝付けませんでした笑

 

 

簡単に解説すると、10年ぶりに集まった英会話スクールのメンバー達だが、10年前に失踪した「長谷川さん」と、「岸田道生」という銅版画家の「夜行」という連作を巡って、それぞれが体験した不思議な出来事を語っていく、という流れのお話。

 

5つの短編からなる話で、一応それぞれが独立した話なのだが、全て『長谷川さん』と『岸田道生』の『夜行』が絡んだ、不気味な体験談なのである。これから一話ずつレビューしていきたいと思います。

 

※ここから先ネタバレしてます!閲覧注意!

 

 

夜行レビュー

 

冒頭

  • 夜行の主人公?『大橋』の目線で語られている。
  • 京都・鞍馬の火祭を見に、10年ぶりに集まった英会話スクールのメンバー達
  • 10年前のこの祭りの時に、『長谷川さん』とはぐれる。以来行方不明になっている
  • 昼間、大橋は長谷川さんを見かけて、追いかけるとある画廊に入っていった。何故か中には長谷川さんは居らず、その画廊に展示されていたのが岸田道生の『夜行』という作品
  • 『夜行』のことを他のメンバーも知っている様子
  • それぞれのメンバー(中井、武田、藤村、田辺)が『夜行』に纏わる過去のエピソードを語り始める

 

と、冒頭はこんな流れ。『夜行』の描写が何とも不気味です。

 

 

第一夜 尾道

 

  • 大橋の先輩である中井の目線で書かれている
  • 5年前に妻と険悪になり妻が家出、そして電話すると尾道にいるという
  • 妻が世話になっているという尾道の『海風商会』というお店に行くと、妻がいない代わりに妻に瓜二つの女性が住んでいた
  • この女性は妻のことを知らないと言うし、妻に電話しても繋がらない
  • しかしその店は廃墟のように古ぼけていて、水も出ないしとても人が住めるような家ではなかった
  • 海風商会の女性、中井の妻、そして長谷川さんは似ているらしい。尾道は長谷川の故郷でもあり、昔中井は長谷川と尾道で会っていた
  • 中井は訳がわからないが、とりあえず今夜はホテルに泊まることにする
  • そのホテルで岸田道生の『夜行・尾道』と、海風商会の女性の旦那であるホテルマンと出会う
  • そのホテルマンによると、『あの家には誰も住んでいない』『私の妻は失踪した。夜行列車が走る踏切に飛び込んだのを見たが遺体は見つかっていない。行方がわからない』と言う
  • でも海風商会の女性から中井に『助けて、私をこの家から出して』という連絡がくる
  • 海風商会へとまた向かう中井だがホテルマンにちからづくで引き留められる
  • 近くに落ちていた瓦でホテルマンを殴る中井。倒れ込むホテルマン、血まみれの中井
  • 妻と再会する中井。『さぁあの家へ帰りましょう』と、海風商会の中へ帰っていく

 

という感じなんですが、いやー、怖いです。怖いし、わけがわかりません笑

 

結局、海風商会にいた女性は中井の妻だったのか?ホテルマンの妻はどこ?長谷川さんは?

謎は謎のままです。

 

 

 

第ニ夜 奥飛騨

 

  • 大橋の後輩の武田目線で書かれている
  • 武田の職場の同僚である増田、その恋人の美弥、その妹の瑠璃の4人で飛騨高山へ旅行へ行ったときの話
  • 道中で『ミシマさん』というオバサンと出会う。未来が見えるらしい
  • ミシマさんは武田達を見て、今すぐ東京へ帰れ、二人の方に死相が出ていると言う
  • 武田達はそんなのは信じずに旅を続ける(瑠璃だけは気にしている様子)
  • ケンカして険悪な雰囲気になる武田達。立ち寄ったカフェの壁に飾られていたのは『夜行ー奥飛騨』という不気味な銅版画
  • 旅館に着き、武田と増田で温泉に入り、部屋に戻ると美弥が居ない
  • 瑠璃は『お姉ちゃんはもう戻ってこない』『お姉ちゃんは死にました』『死相が出てたから』『ここが本当に奥飛騨だと思ってるんですか?』とか言い出す
  • 美弥を探しに行った増田も帰ってこなくなる。瑠璃も消えてしまう
  • ひとりで露天風呂に入る武田のもとに美弥が近づいてきて、体を寄せ合う。武田が『ずいぶん待ってたんですよ』で終わり

 

うーん、また謎だらけ。結局美弥はどこへ行ったのか?増田と瑠璃もどこへ行った?死相が出ていた二人とは誰?

 

 

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第三夜 津軽

 

 

  • 大橋の後輩で女性の藤村の視点で書かれている
  • 鉄道が好きな藤村の夫と、夫の友人の児島、藤村の三人で夜行列車に乗って青森へ旅行したときの話
  • 夜行列車の車窓から、火事になっている家を児島が目撃する。その近くに女性がいて手を振っていたらしいが、児島しか見ていなかった
  • その後児島の様子がおかしくなる
  • 終点の駅で降りると児島が少し歩きましょうと言い、児島についていくと一件の家がある
  • その家は児島と藤村が見覚えのある家で、『夜行ー津軽』に描かれている家だった
  • 児島は虚ろな目でその家を見上げていたり、玄関のドアをどんどん叩き始めたりおかしな行動を起こし、気づくといなくなっていた
  • 藤村もその家が気になっていたが、声をかけても誰も出ないし、鍵がかかっていて入ることはできなかった
  • しょうがなくその場を離れた藤村夫婦
  • 児島から電話があったが、どうやらさっきの家の中にいるらしい
  • 理由を聞いても『あとで話します』しか言わない
  • その後山内丸山遺跡へ向かう二人
  • 遺跡を見学していると、遠くを男性と女の子が歩いているのを藤村が見つける
  • その男性は児島らしいが、夫にはそんな人の姿は見えない
  • 藤村が声をかけるが、いなくなってしまう
  • 女の子の方は、藤村が小さい頃仲良くしていた友だちの佳奈ちゃんにそっくりだった
  • 佳奈ちゃんと藤村は小学校の頃よく二人で絵を描いていたが、藤村の母親が無理やり絵画教室に入れさせたために疎遠になり、あまり会わなくなってしまう
  • そして藤村は自分が佳奈ちゃんの家に火をつけたこと、そして児島が消えたあの家こそが、佳奈ちゃんの家だと思い出す
  • 夫はそれを否定、藤村の母の話によると、佳奈ちゃんなんて娘はいない、それは夢なんだと言う
  • 夜の市場の建物内で佳奈ちゃんを見かけて、追いかける藤村
  • その先には佳奈ちゃんの家があり、佳奈ちゃんに招かれるまま中に入る藤村、で終わり

 

はい、またこれも謎だらけです。児島はあの家の中で何をしているのか?佳奈ちゃんとは何者なのか?

もうひとつ大きな謎がこの章で出てきているのですが、どうやら岸田道生は連作『夜行』を描く際に、どこへも訪れなかったそうです。

じゃあどうやってあの家を描いたのでしょう?謎は深まるばかりです。

 

 

第四夜 天竜峡

  • メンバーの中で一番の年長者である田辺視点の話
  • 伯母夫婦のところへ遊びに行った帰りの電車内での出来事
  • 田辺の隣のボックス席には純朴そうな女子高生と中年のお坊さんがいた
  • お坊さんは人の心が見えるらしいが、この女子高生の心は見えない
  • 胡散臭い言葉を並べるが、田辺の過去のことを見事に言い当てる
  • 田辺は岸田道生の生前の友人で、よくアトリエに遊びにいっていた
  • 岸田は昼間は寝て、夜になると活動し始めるので、遊びに行くのはいつも夜。田辺以外にも多くの友人がアトリエに集まり、それは岸田サロンと呼ばれた
  • 岸田サロンは田辺の青春だった
  • お坊さんは実は偽坊主で、昔岸田サロンにいた佐伯という男だった
  • 当事佐伯は降霊術士で不眠症を患っていたが、田辺は佐伯が嫌いだった
  • 佐伯は岸田の作品を持っていた。それは『夜行ー天竜峡』
  • 佐伯いわく『あいつは狂っていた。妄想の女に出会うために絵を描いて、妄想の女にとり殺されたのさ』
  • 『夜行』には対をなす『曙光』という作品がある。『夜行』は永遠の夜を描いた作品で『曙光』はただ一度きりの朝を描いた作品らしいが、誰も見たことがない
  • 佐伯は岸田から絵をもらったと言っていたが、何故か女子高生は佐伯が死んだ岸田の家から勝手に絵を持ち出したことを知っていた
  • 佐伯は『岸田を殺したのはあの女だ』と怯えて電車を降りた
  • 女子高生いわく『夜の夢の中でいろいろなとこへ行った』『夜はどこへでも通じているの』
  • 生前の岸田『世界は常に夜なんだよ』
  • 岸田のアトリエには、全く光が入らない『暗室』という部屋があり、岸田はいつもそこで想を練る
  • 岸田が死んでから、僕は今まであの暗室にいたんだという田辺
  • 『そうよ。私達はずっと一緒だったの』という女子高生で終わり

 

という感じです。

ついにキーマンである岸田道生が出てきました!ここから謎が解明されていくのか!?と思いきや、そうでもなかった 笑

謎の女子高生の正体は一体?本当に彼女が岸田を殺したのか?『私達はずっと一緒だったの』が意味するものは?

 

最終夜 鞍馬

 

  • 舞台は冒頭の京都・鞍馬に戻り、大橋目線で語り始まる
  • 祭りが終わって人が疎らになった道を歩く大橋、中井、武田、藤村、田辺の5人
  • ふと気づくと、大橋を残して他のメンバーが消えてしまう
  • 中井に電話をすると、『冗談はやめろ』と言われる
  • 藤村に電話しても妙な反応しかしない。ホテルに電話しても、今夜大橋の名で予約はされていないと言われる
  • 中井から再び電話があり、会うことになる
  • 中井から大橋は10年前から失踪していたと聞かされる
  • 失踪していたのは長谷川さんだと大橋は言うが、長谷川さんは失踪していなかった
  • 今日さっきまで鞍馬の火祭で一緒だったはずが、中井は大橋達とは10年前から会っていないという
  • 大橋は岸田道生の夜行がある柳画廊に行くという
  • 画廊に行くと、夜行のかわりに『曙光』という作品が展示されていた
  • 死んだはずの岸田道生が生きているというので、柳さんに無理を言って電話を繋いでもらうと、電話に出たのは長谷川さんだった
  • 長谷川さんは教師になり、岸田と結婚していた
  • 今から13年前、岸田は尾道で初めて長谷川さんと出会った
  • 美術館で『世界は常に夜なのよ』という長谷川さんを、不思議な娘だ、と思った
  • その後、書き上げたのが『曙光ー尾道』
  • 長谷川さんと言葉を交わしただけで終わったことを悔やんでいた岸田だったが3年後、たまたま長谷川さんと再会する。それが10年前の鞍馬の火祭だった。大橋からすればそれは長谷川さんが失踪した日でもあった
  • その後岸田と長谷川は二人でいろいろな場所へいき、たくさんの曙光を描き上げて行った
  • 突然、大橋は『夜行』の世界へ戻ってきてしまう
  • 誰も居ない岸田の家で、テーブルの上にあるのは『夜行ー尾道』
  • 外へ出て中井に電話する大橋。山の向こうからは曙光が射していた。で終わり

 

といった感じで、何となく繋がった部分もあるけれども、大分謎を残したまま終わってしまっています(T_T)

 

私的解釈

 

ここからはちょっと自分的な解釈を入れつつ解説していこうかと思うんですけど、冒頭からの大きな謎である『長谷川さんは何処へ行ってしまったのか?』ですが、おそらく『夜行』にとりこまれてしまったのではないかと私は思っています。

 

最終夜で岸田と出会った高校時代の長谷川さんの服装と、第四夜で佐伯が『岸田を殺したのはあいつだ』と言った女子高生の服装が一致しています。(赤いマフラーとスヌーピーのついたリュック)そして、『世界は常に夜なのよ』というセリフも一致しています。もっと言うと『どうですかね。悩んでいるつもりですけどね』というセリフも一致している。(第一夜の長谷川さんと第四夜の女子高生)

 

つまり長谷川さんは10年前、『夜行』にとりこまれて世界から消えてしまった。ただ、いなくなったわけではなくて、例えるなら幽霊のような、妖精のような存在になり、夜の夢の中でいろいろな場所へ夜の冒険(第三夜より)をしているのではないかと。だって『夜はどこへでも通じている』のだから。

 

 

その夜の冒険とは、きっと他人の夢の中にまでも入り込み、不可思議な夢を見せたのかなと。第一夜に出てきた海風商会は、元々長谷川さんのお祖母さんの自宅だと思われます。海風商会の女性は、旦那の仕打ちに耐えられず夜行列車へ身投げする。そしてその時の夜行列車に乗っていたのがおそらく中井さん夫婦だったのでしょう。そのせいで中井さんの奥さんも家出してしまいました。

 

結局中井さん夫婦はちゃんと戻ってきてはいますが、海風商会の女性は、戻ってきたのでしょうか?それは謎のままです。

 

第ニ夜の武田達や第三夜の藤村達のところへも、長谷川さんが行っていろいろな不可思議な夢を見せたのかなと思っています。英会話スクールメンバーは一応全員無事に帰ってきていますしね。美弥や瑠璃、児島の無事は不明ですが。

 

 

まとめ

 

最終夜の大橋が迷いこんだ『曙光』の世界は、やっぱりパラレルワールド(平行世界)のようなものなのではないでしょうか。岸田が長谷川さんと出会い、『曙光』を描いた世界。

もうひとつは岸田が長谷川さんと出会わずに、『夜行』を描き、死んだ世界。

 

『夜行』は何とも不気味で、永遠の夜を思わせる。夢も希望もないような、そんな話の中で、たった数時間だけでも『曙光』の世界に行き、好きだった長谷川さんと話ができて、大橋は救われたのかな、と思います。

 

ただ、個人的にはやっぱり最終的に謎がすべてハッキリして、『あーそーいうことだったのねー!』って言いたい人なので、こういうスッキリしない終わり方なのはちょっとなーって感じです。

 

面白いとは思いますけどね!夢中になって読みましたもん。怖かったけど!

 

 

でもまぁ私的には『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギンハイウェイ』のが好きかなって感じです!

 

 

長文にお付き合いして頂きありがとうございました。

 

それでは!

 

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